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オオタケくんの憂鬱①
今日は午前中で放課になったが、部活動や居残り学習で残る生徒も多く購買部は営業されていた。
裕也は最近お気に入りのミックス・オレを買いに向かった。
「おばちゃん、ミックス・オレ。」
「すいません、ミックス・オレを下さい。」
裕也と同時に同じ物を注文する声がしたので、そちらを向くと制服姿の直倫だった。
「裕也さん!」
「え、お前ジュース飲むの?」
裕也が知る限り直倫はスポーツドリンク、プロテイン、豆乳、炭酸水、水、麦茶しか飲まないストイックな生活を送っているはずだった。
購買のおばちゃんに「2人とも100円。」と言われて100円玉を渡してミックス・オレを受け取ると自然と2人並んでその場を離れた。
「はい、裕也さん。」
「え?」
「今日は昼休みもないからせめて裕也さんが好きな飲み物を買って会いに行こうと思ってたんです。でもここで会えて良かったです。」
相変わらずの爽やかスマイルから裕也は少しだけ目を逸らした。
するとそんな直倫を通りすがりで見かけた女子たちが「カッコいいー」などと呟くのが聞こえた。
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