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オオタケくんの憂鬱②

「お、おーおー…お前すっげーなー!超モテモテじゃん!」 「え?」 「カッちゃんから聞いたぜー、今朝なんかラブレターで靴箱埋まってたらしいじゃん!トモが赤松に負けたーとかすっげ落ち込んでたぜ、マジ笑ったわー。」 「裕也さん?」 「あとなんだっけ?彼氏にしたい高校球児ランキング?あれで4位とか入ってたぞー。先輩たち差し置いてやるじゃねーか!」  裕也はそう笑って直倫の背中をからかうようにバンバン叩いた。 「せっかくだけど、ミックス・オレそんなに飲めねーからお前飲めよ。これ近年稀に見る傑作だから!な!」  裕也は「じゃあな!」と駆け足で直倫のそばから逃げた。 「裕也さん⁉︎」  直倫はあとを追いかけようとしたが、それは阻まれてしまった。 「赤松くん…あの、ちょっといいですか?」  恐らくこれから直倫に告白しようとしている女子とその友人たちによって。

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