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マツダくんたちの思い出①

 智裕はしぶしぶ直倫を、野村と共に松田家に連れて行くことになった。  そして松田家でも例に漏れず直倫フィーバーが開始された。 「おおおお!神奈川の首位打者様じゃねーか!」 「うはあぁぁ!芸能人みてぇ!」 「お父さん!電話電話!お寿司取らなきゃ!克樹くんも食べていきなさい!」 「あはは、お言葉に甘えていただきます。」  夕飯の用意が出来るまで3人は狭い智裕の部屋で待機することにした。 「大竹んチも赤松が来て寿司の出前だったらしいぞ。」  智裕は押入れを漁りながら話をする。  野村は智裕の学習机の椅子に、直倫は床で胡座をかいて智裕の動向を見ていた。 「赤松くんに寿司パワーでもあるのかな?」 「いや、そんなこと無いと思うんですけど。」 「野村も小5以来じゃね?ウチくるの。」 「だね。智之くんも大きくなってビックリしたよ。」  2人が懐かしそうに話し出すと、直倫はキョロキョロと部屋を見渡す。

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