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マツダくんたちの思い出③
「おい、あったぞ。低学年の時のアルバム。」
智裕の手には小さく古いフォトアルバム。それを開くと少し酸化した写真が出てくる。
誰が誰だか分からないくらいに幼かった。野村と智裕は何かを探すように目を凝らした。
「いた!これだ!」
「……あー!この子…が、生徒会長⁉︎え、待って、うちの生徒会長って男じゃん。」
2人が見つけたのは、白いワンピースを着たお人形さんのような少女。一緒に写る高梨、里崎に比べると圧倒的に可愛い少女。
これが「ちーちゃん」だった。
「ちーちゃんって、野村が覚えてるってことは小学校の時か。1つ上だったのかよ…。」
「うーん、というか何で男子なのにワンピース着てたんだろ?」
「そりゃわかるわけねーよ……ちーちゃん、ねぇ……。」
2人が懐かしむ横で、ゴゴゴ、と不穏な空気を出している直倫。
その写真のどれもに「ちーちゃん」の隣は幼い裕也だったからだ。
「俺も女の子だと思ってちーちゃん好きになったんだよな。あと大竹も。」
「そうだったね……。」
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