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マツダくんたちの思い出④
「ちーちゃんは俺のお嫁さんになるんだ!」
「いーや!俺のお嫁さんだ!」
小学校低学年の春だか夏、智裕と裕也は多分史上最悪の喧嘩をしていた。
原因は女の取り合い。
近くに越してきたお目々がクリクリしている美少女・ちーちゃん。
裕也と智裕、どちらもこのちーちゃんが初恋であった。
この日にちーちゃんがお誕生日だか何かで、裕也がプロポーズなんかをして智裕が「ちょっと待った」と邪魔をしたのが契機だった。
「トモみてーなビビりの泣き虫がちーちゃんを守れるわけねーだろ!」
「ユーヤなんかバカじゃん!この前算数で0点だったじゃん!」
「うるせーよ!トモの方が野球もかけっこもヘタなくせに!」
「ユーヤはおれより泳ぐのヘタクソ!」
「トモヒロくんもユーヤくんもケンカやめなよ!ちーちゃん泣いてるよ!」
「女の子泣かすとかサイテー。」
優里と蓉子が必死になって諌めるが喧嘩は酷く幼稚になる一方で、ちーちゃんは泣いてしまっていた。
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