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マツダくんたちの思い出⑤

「だっておれだってちーちゃん好きだもん!」 「おれがちーちゃんと結婚すんだよ!」 「もぉ…チヒロのことでケンカいやだよぉ……グスッ、うぅ…。」 「じゃあちーちゃんがえらんでよ!」 「おれとトモ、ちーちゃんはどっちが好きなんだよ!」  物凄い剣幕で2人はちーちゃんに詰め寄った。  それを引き離したのは克樹と椋丞。 「ユーヤくん、トモくん!ちーちゃん怖がってるからぁ。」 「ちぃ、大丈夫だから…どっちか選んでやってくれよ。」  えっぐえっぐと泣くちーちゃんは優里に慰められてなんとか落ち着いた。  そして顔を赤らめながら、涙目で裕也を見る。 「チヒロ…ゆーくんがすき……。」  智裕の初恋が粉砕した。泣き虫の智裕はその場で大声をあげて泣いた。  裕也を選んだちーちゃんはスカートをなびかせて裕也の元に駆け寄って。  チュッ  頬にキスを捧げた。驚いて顔も赤くなってる。そしてちーちゃんはふにゃりと笑った。 「チヒロ、おっきくなったら、ゆーくんのお嫁さんになる!」

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