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マツダくんたちの思い出⑥
「今思えばあの頃が大竹の全盛期だったな。」
「そうだねぇ、クラスの中心で運動も出来て、モテてたよね。」
「まさか背が止まるとは思わなかったけど。」
約10年前のことを2人は懐かしんだ。
「ちーちゃん騒動」を一通り聞いた直倫は無表情でアルバムをじっと見つめている。
「そう言うことなんだけど…赤松よ…俺と大竹はそのぉ…ちーちゃんがまさか男だとは微塵 も思ってなかったんだよ。」
「俺も思い出したけど、本当に今驚いているんだよ。」
「それによ、大竹って超女好きだから!男だと分かって好きになったのは赤松だけだから!」
「赤松くん、その嫉妬にまみれた禍々しいオーラをちょっと控えて欲しいかなぁ……って。」
「……本当ですか?」
直倫の声が完全に疑っている様子なのがわかって、智裕は肩をビクリと震わせた。
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