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アカマツくんの懸念②
「お前のスペックで自信無いって嫌味にしか聞こえねーんだよ。」
「まぁ気持ちは分からなくないよ、大竹くんって本当に超女の子大好きだから不安になるよね。」
野村はよしよしと直倫の頭を撫でる。
「優里やヨーコさんが前に言ってたけど、俺らの中で1番男らしいのって大竹なんだぜ。そんな奴が黙って男の膝に乗せられたり、お前のキザったらしいレディーファーストな行動を文句言いながらも受け入れたりさ、フツーにありえねーから。」
智裕は落ち込む直倫に呆れてビシッと指摘する。
「あと、なんか夏休み中にあいつピアス新しいの開けて、あいつの趣味じゃねぇ赤いの嵌 められてたんだけど。」
智裕はクイクイと右耳を指しながら言う。野村も「そういえば」と思い出しながら上を向く。
「あれ、お前のためにやったんじゃねーの?」
「あー……あー!赤いから、赤松くん…大竹くん粋なことするねー。」
野村は参ったというように笑った。
智裕はもう一度ため息を吐くと、直倫を見据えてハッキリと物申す。
「お前も大概愛されてんだよ。もうこれだけ挙げるとゲロ吐きそうなくらいな。」
「充分ラブラブじゃないか、赤松くんと大竹くん。」
「愛されてる…俺も、ですか?」
「何回も言わせんじゃねーよ。」
智裕は「おえぇ」とえづき、猫を追い払うように「しっし」と手を振った。
直倫は心が晴れたように安心した笑顔を浮かべた。その笑顔に智裕と野村もドキッとした。
「うわぁ……顔が直能 さんに似てるからタチ悪ぃなー…ドキドキしちゃう。」
「赤松くん、本当にモデルさんとか向いてるかもね。」
智裕の心拍数が上がった頃に、弟の智之が部屋をノックして「ご飯だよ」と呼びに来た。
食卓には本当に特上寿司が並んでいた。
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