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フタリの愛の質量④(※)

 木製のベンチに裕也は横たえられた。  普段自分の親友たちが一息つくために座るベンチ。  トタン屋根の天井をまじまじと見るのもこれが最初で最後だろう、とか考える余裕もなかった。  覆いかぶさってくるオスの目をした直倫に捕えられると、逃げる事は出来なかった。  逃げたくもなかった。 「は、ふう……ん、んん……。」 「ん、はぁ…ゆ、や…さん…ん。」  獣のようなキスはお互い初めてだった。  裕也の細い腕が直倫をしっかりと捕まえて、角度を変えながら互いの口内を侵食していく。 「ん…な、お……みち……も、触る…。」 「え……?」 「ここ……お前も限界、だろ?」  扇情的な潤んだ瞳で見つめながら、裕也の手は直倫のすっかりと膨張した熱を制服越しから触れる。 「ダメです…そんな、の……我慢出来なくなって、裕也さんを優しくできない…。」 「時間ねぇだろ……そこ、座れよ…。」 (あー…エロ動画見ながらいつか俺もされてーって思ってたのに…自分がやる羽目になるとはな……。)

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