802 / 1000

フタリの愛の質量⑦(※)

「んあ、ああああっ!そこ、なに…してんだ……よ……。」  裕也の脚はガクガク震えている。直倫に固定されているからしゃがみこむことが出来ない。  立ち上がった直倫にロッカーに押し付けられると、達したばかりのペニスにヒンヤリした金属の温度が伝う。 「や…だ…トモの…汚れちゃう……あ、直倫……やだ…。」 「すいません、このまま挿れます……。」 「は…何で……なん、で……。」  直倫の先端が入り口に充てがわれると入り口は期待するようにヒクヒクと動いている。 「まだ…指、してねー…痛いの、無理だって…。」 「少し、腰落として……。」  直倫が左腕で裕也の腰を自分の方に引き寄せると、少しだけ臀部を突き出すような体勢になる。 「こんなかっこ…やだ、恥ずかし……あぁああっ!」 「あぁ……挿入(はい)りまし、た……。」 「うそ…うそうそ…なんで…はい、た……。」  グググ、と侵攻してくる熱と圧迫感で、痛みはなかったが、どうしても「やだ」と呻いてしまう。  裕也の腰を支える左腕、その指先は裕也の脇腹の少し下。コチョコチョと擽ってみれば。 「んひゃあ…っ!ひゃ……あ、は、ば、く……すぐ、った……んんっ!」 「本当に……悔しい…。」 「へ……な、に……んんん……っ。」  裕也の手は「松田智裕」と記名されたロッカーの平面を掴んでいる。その裕也の指先に直倫は視線を向けて、一瞬口付けた。

ともだちにシェアしよう!