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フタリの愛の質量⑧(※)
「ひゃうっ!……直倫ぃ…も…腹、おかしいぃ…。」
直倫の熱が難なく根元まで挿入されたのだが、動かないから余計に裕也の内臓が熱く苦しくなる。
「裕也さんが、くすぐられるの弱いとか…痛いの嫌いとか…根っからの女好きとか…モテモテの全盛期が小学生の時とか……っ!」
つらそうに呟くと後ろから裕也の右耳を舐めて、軟骨の、ピアスが嵌められた箇所を食んだ。
「このピアスホールも、わざわざ俺の為に開けたとか…全部、先輩たちに教えられて…悔しいです……。」
「は、はぁ……うぅ…そ、んな……こと……。」
「でも……裕也さんが、こんなに…可愛くて魅力的なこと……シルバーよりも赤が似合うこと…それを知ってるのは、俺だけですよね?」
「も……そんな、の…い、からぁ……っ!」
「良くない……!ねぇ…裕也さん……俺、この人にさえ嫉妬するくらい……貴方を独占したいんです……。」
裕也の右手を直倫の右手が覆う。トントンと直倫が指したのは「松田智裕」の名前。
おぼろげにそれを見る裕也は「バカじゃねぇの」と心で嘲笑う。
「裕也さん……いいですか?こんなに、愛しても…。」
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