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アカマツくんの愛の重さ⑤
1限目は幸い、グラウンドに出ているクラスはなかったので裕也と直倫は水道で直倫のタオルを1枚濡らして、身体を拭ったあと、部室の後始末もした。
そして終業のチャイムが鳴るまで、部室棟の裏側の影で涼んだ。
しかし裕也は直倫の脚の間に収められて、後ろからハグをされて涼むどころではなかった。
「うざい、暑苦しい、離れろ。」
「嫌です……ふふ、授業をサボって裕也さんを独占するなんて贅沢ですね。」
「おっまえマジで頭わいてんな。」
「何とでも言ってください。」
直倫は裕也の発する暴言さえも甘言に変換して、嬉々として言うことをきかない。
そして先ほどから何度も裕也の少し焼けた頸 にキスマークをつける。
「それチクチクチクチクいてぇからやめろ。」
「え…でもこうすると感じるって本に書いていたんですが…。」
「おい、それ何の本だよ。誰から借りた。」
「増田先輩です。」
予想通りの答えに裕也はうな垂れた。
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