815 / 1000
オオタケくん再争奪戦⑧
「赤松くんガチギレじゃん…。」
「何でダイレクトに俺の机……え、割れてね?」
「……ちぃ、あれはやりすぎ。」
さすがの宮西も加治屋を後ろから小突いた。
だが加治屋はクスクスと小悪魔の美しい笑いをした。
「ふふふ…図星を突かれて苛々 してるね、あの子。」
「……直倫!」
裕也は何とか起き上がって直倫を追いかけようと走り出すが、それを通せんぼして阻止したのはやはり加治屋だった。
「ゆーくん、行かないで!」
「会長!すいません、どいて…。」
「は?会長?……なんでそんな呼び方するの?」
加治屋の口調が一気に冷たくなり、裕也も恐怖で動けなくなった。
「ふーん……そんなにあの人が大事なの?僕との約束は?ねぇ、約束守ってよ…ゆーくん。」
「ちょっと、何いっ……んんっ!」
本当に一瞬で、加治屋は裕也の首に腕を回し、先程の小鳥キッスが嘘のようなディープキスを交わしてきた。あまりの出来事に智裕たちは固まってしまう。
裕也は抵抗するが、加治屋がそれを許さない。
(おい!何だよこの馬鹿力!やだ……マジで…何だよこれぇ…!)
「ん、ふぅ……んん。」
加治屋はキスをしながら色っぽい吐息を漏らす。その頬は赤く染まっている。
一方で裕也は加治屋を引き剥がそうと必死になってキスから逃れようとしていた。
(直倫ぃ!助けて…!)
ともだちにシェアしよう!