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オオタケくん再争奪戦(13)
3年生の教室に戻った加治屋は、鼻歌を歌いながら次の授業の準備をしていた。
「千翼。」
「なぁに、堀。」
「お前、この前の下級生をおちょくってんじゃねーだろうな。」
「違うよぉ…僕の気持ちを素直に伝えてるだけ。」
「全く…トラブルだけはやめてくれよ。」
「はぁーい。」
堀がため息をついてその場を離れようとした時に、加治屋はそれを引き止めるように話した。
「堀ぃ、赤松直倫ってどんな奴?」
「は?赤松?……顔良し頭良し、礼儀もしっかりしてて…将来的には主将や4番も任せられる完璧な男かな。」
「僕ね、あいつ大っ嫌いだから。」
どす黒いオーラを漂わせながら、小悪魔のように可愛らしく微笑んで首をコテンと傾げて堀に上目遣いをする。
だが堀はあまりの恐怖でその仕草を可愛いとは思えなかった。
「ごめんね堀。赤松直倫、ぶっ潰しちゃうかも♡」
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