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エガワくんの吐露①

――I don’t believe that anybody feels the way I do about you now 「江川っち。」 「………………あなたのことを、こんなに考えている…人は、俺以外にいない……。」 「……江川っち?」 (ギター弾けるの知らなかった……家にもそんなの無かったし…CDも小さなラックに収まる程度にしか……そんでこの曲……きっと…。) 「江川っち!」 「え、あ、何?」  智裕の再三の呼びかけにやっと気がついた一起は顔を上げた。 「何この英文?」 「え……あ………うん……今朝先生が歌ってた曲の歌詞…リスニングして書き取ってた。」 「マジ⁉︎そんなん出来るの⁉︎」 「割と分かり易かった。バラードだし。」  智裕は机の上に置いてた一起のスマホを手に取ると、画面にはCDのジャケット写真が映っている。 「しっかし古いし知らねー曲だったな。なー、若月、このバンド有名なのー?」

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