840 / 1000

旅の準備②

「男子2人、女子2人の4人で構成してくれ。じゃ、決まったら黒板に書いていけー。あとは江川と里崎で進めてくれ。」  裕紀の指示で一起と里崎が教壇に立ち進行する。 「じゃ、まず男女それぞれ2人組作って、なんとなく一緒になって下さーい。男子の余り物同士の悲しい班が1つ出来たら終わりです。」  里崎の言葉に男子たちは心臓が抉られた。  ザワザワと騒がしくなりだした。  屍になっている智裕の元に宮西がやってきた。 「松田、俺とヨーコさんで。」 「は……遊ばれるのか、俺は…。」 「さて、あとはヨーコさんが誰を連れてくるか、だけど。」 「私が何よ。」 「ヨーコさんって友達いるの?」 「椋丞よりはいるわよ。」  宮西の隣には里崎がいた。夫婦のやり取りのような会話を智裕は聞き流していた。 「あ、あともう1人は乃亜(ノア)ちゃんだから。」  里崎はいつの間にか小柄のポニーテールの女子を捕まえていた。

ともだちにシェアしよう!