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交錯する気持ち④
「荷物はあるし戻って来るでしょうね。椋丞、ふざけ過ぎ。」
里崎は宮西の後頭部に軽くチョップをして叱る。
宮西は後頭部を掻きながら一起が座っていた席を見つめる。
「まぁ修学旅行で江川も告白ラッシュに遭うだろーし、ちゃんとした彼女でも作れるだろ?多分。」
「江川くんに彼女ねぇ……選り好みも出来るだろうし、松田みたいにアバズレを引かなきゃ良いわね。」
「つーか一起があんなに悩むって初めてじゃね?俺らにも言えねーのかな。」
「アンタらだから言えないっつの。」
「江川の彼女になる奴ってどんなんだろーな。あの堅物に合う女かー。」
「ベッドの上では乱れる委員長系女子とかよくね?」
「エロ動画の見過ぎ、そんな女は男の妄想だけよ。」
「ヨーコさんが言うと説得力あるなぁ……。」
そんな3人の会話は教室の外に漏れていて、たまたま居合わせていた裕紀の耳に入っていた。
「いやー、修学旅行楽しみー。」
「椋丞、そのゲスい笑顔やめろ。」
「ロクなことにならない気がしてきたわ…。」
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