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野球部閑話【次の馬橋学院】①

「ええか!夏も春も馬橋(ウチ)が優勝や!」  おっす!  夏の全国大会覇者・馬橋学院、優勝の余韻に浸ることなく新チームを発足させた。  『西の松田』と(うた)われたエースの後継者として、2年の金谷(かなや)(アユム)が新たなエースとして、そして『阿修羅の金子』から主将(キャプテン)を引き継いだのは捕手の畠晃だった。  八良たち3年生は、野球部は引退したが野球推薦での大学進学や国際試合などに向けて隣のグラウンドで自主練習を行っていた。  しかしフェンス越しに新チームの様子が気になって横目でチラチラと伺う。 「あの畠が馬橋のキャプテンなぁ…金子ぉ、務まるんか?」 「さすがにグラウンドでは人見知りを出さへんようになったからな。というか1番相応しいって分かっとんのは、お前やろハチロー。」 「ま、せやなー。」  3年生たちは、丁度1年前の記憶を巡らせた。

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