849 / 1000

野球部閑話【次の馬橋学院】②

――  秋季大会、春のセンバツ高校野球を制覇する為に新チームが発足する。  主将には金子、エースは八良、4番は中川、ある程度予想されたようにポジションは確立された。  しかし、予想が覆されたのは背番号「2」の行方だった。  発足早々に八良はベンチに座っている監督に呼び出された。既に監督の隣に立っているのはキャッチャーのプロテクターを身に付けた1年生()だった。 「監督、何ですか?」 「ハチロー、今日から1年の畠がお前の女房や。仲良ぉせぇよ。」 「はぁ…。」 (え…何で1年やねん。夏にベンチ入りしたん山根(やまね)やったやん、アイツが正捕手やろ…俺エースちゃうんかい。) 「よ、よろしく…お願い……します…松田先輩。」  畠は八良と目を合わさずに下を向いて顔を真っ赤にしていた。

ともだちにシェアしよう!