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野球部閑話【次の馬橋学院】③
いつもハキハキとしている八良はこの類の人間が大嫌いで、思わず大きな舌打ちをかましてしまった。
「なんで俺がこんなオドオドちゃんとバッテリー組まなあかんねん。イヤや、俺は馬橋のエースになるっちゅーのに。監督、俺の女房は山根ですよね?」
八良が不貞腐れたように監督に訴えると、畠は肩をビクつかせてガタガタと震えだした。
その姿にも八良はイラつく。
「いいや、お前の女房は畠や。」
「はぁ?なんでですか!」
「まぁとりあえず投げてみればええ。」
恵比寿様のような笑顔で能天気に指示をされて八良はブツブツと文句を言いながらブルペンに入った。
「あ、あの……松田先輩……。」
「ああ?なんや?」
八良が睨んだせいで畠は発言をやめて下を向いた。そして畠はトボトボと歩きながら定位置につく。
ロジンバッグで滑り止めをし、ボールを手にとって肩を回しながらキャッチャーのいる方向を見る。
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