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マツダくんとユイさんの距離④
「ここに選ばれたみんなはそれぞれに高いスキルを持って、何かしらの武器があって、僕はそれを平等に伸ばす手助けをしているつもりだよ。」
「ま、俺も課題やったカーブのコントロールがだいぶ改善されましたわ。それはレオっちも驚かれましたし。」
「そうだね、八良くんのパワーカーブ、シュートの速さと制球があればバンバン三振を奪 れるだろうね。きっと痛快なんだろうな、楽しみだよ。」
「それで、コーチはトモちんに何の期待をしとるんですか?野球人として?それとも、個人的な感情?」
その八良の問いに、由比は笑顔は崩さなかったが答えることはしなかった。
ただ、答えにならないような言葉を置いた。
「人には、胸に仕舞っておきたい思いが1つや2つあるもんだよ。」
八良はその声と由比の眼を見て、徐々に確信に変わっていく。
(由比コーチ、トモちんに惚れとるんか?……そういやトモちんって小学生ん時にスピンズのジュニアチームにおったんよな…それ、関係しとるんか?)
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