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マツダくんとユイさんの距離⑩
「あれくらい競い合ってくれた方が士気も上がるよ。ちょっと怖かったけど、君と八良くんはこの国が誇るエースなんだから、誇りをぶつけ合うことも大切だ。」
「は、はい!……多分、後藤先輩と八良先輩は俺と畠が嫌いだと思います。」
「どうして?」
「……分かるんです。あの2人は、他人が想像し難 いほど、俺が頑張ってる、って思ってることは努力にならないってくらいの努力をしてるから……俺も畠も、努力はしてるけど、なんかこなせちゃってるってところがあるし……。」
(後藤先輩のあの眼を見れば、分かる……。)
口に出すと落ち込んできた智裕が俯くと、由比は車線変更した。
「智裕くん、ちょっと付き合ってくれる?」
「え……。」
そう言うと、由比の車は首都高速に入って走り出した。
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