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立ちはだかる壁⑥
『只今より、U-18日本代表 対 大学日本代表の壮行試合1日目、両チームのスターティングラインアップを発表致します。バックスクリーンにご注目ください。』
ウグイス嬢のアナウンスで甲子園と同様の歓声があがった。
バックスクリーンに映ると同時に、ダグアウトからチアガールの作る花道を駆けて観客によく見えるように整列する。その盛り上がりはプロの試合と同じくらい。
特にテレビで報じられているドラフト上位候補などの有名な選手が呼ばれると一層声は大きくなる。その中には勿論、智裕が超えなければならない八良も該当する。
応援歌やファンファーレが鳴る中、智裕はすぐ近くにある3塁側ブルペンを見つめる。
バンッ ズバンッ
八良の速球と後藤の巧みなキャッチングで快音がよく聞こえる。耳にその音が届くたびに智裕の左腕は震えそうになる。
そうしてバッテリーの2人は一旦引き上げるようで、ちらりと智裕がいるスタンドを見上げてきた。
ほんの一瞬の視線の交わりで、闘志、殺意が互いにぶつかる。智裕は拳を固く握る。
そうして後攻の大学日本代表のピッチャーがマウンドに上がり、それぞれ守備につく。U-18日本代表の1番、3年の新治 が左側のバッターボックスに一礼をして入ると、主審の人差し指がさされた。
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