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立ちはだかる壁⑦
U-18代表チームは三者凡退で抑えられ、1回裏、八良がマウンドに上がる。
壮行試合だが八良は球数制限まで投げるつもりなのか未だ控えの投手が準備する気配はなかった。
「あー……甲子園の時より迫力あんなぁ……。」
恭介の言う通りだった。選手としては小柄で華奢な八良がそのグラウンドで1番大きく見えた。
八良と後藤の18mのラインは甲子園の時とは比べ物にならない覇気のようなものが漂う。
「あれは、八良先輩だけじゃ無理だよ……な。」
たらりと汗を一筋流したら、八良の初球。
定石通りのストレートではなく、更なる磨きがかかったスライダー。スクリーンには138km/hという計測結果が表示される。
「スライダーでほぼ140…マジでプロじゃん。そんであれを正確にキャッチできんのかよ…。」
「…………清田、俺とんでもねー人に喧嘩売ったのかも。」
「今更かよ。」
ますます震えが止まらない。そして1人目がショートゴロでアウトになった。
「外角高めを2球…そして外角低め…外角を意識させて打たせて、アウトに…たった3球…これ高校生の配球かよ。」
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