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ユイさんのこと①
コーチ控え室のドアは閉まっていた。重要な作戦会議などもやっているのかもしれないのでノックすら躊躇 われる。
(どうしよ……メッセージ打てばいいかな?夜に電話……うーん。)
そうやって迷って唸っていると、不意に肩を叩かれた。
「何してんねん、松田2号。」
「どひゃい⁉︎」
肩を叩かれてビックリしすぎて尻餅をついた。
そこにいたのはスキンヘッドの強面ヤ…ではなく、関本監督だった。
「おっまえ、ホンマに野球以外はヘボなんやな。これくらいでビビりすぎやろ。」
「か、監督!お、お疲れ様です!」
「おう…お前、ちょっと時間ええか?」
「え、っと……はい?」
従う以外の選択肢はあるわけもなく、智裕は立ち上がるとそのまま関本監督のあとに続いて監督の控え室に入った。
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