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マツダトモヒロという存在(13)
石山はベンチに戻りながら晃と智裕に駆け寄った。
「畠!まっつん!よぉ刺したなぁ!」
「石山先輩、あざっす!」
「つーかまっつん転びそうになっとたなぁ!」
「いや、畠のあれマジで殺人バズーカっすもん!サイン出てたけどマジ怖かったぁ…。」
マスクを外しながら晃は呆然としつつベンチに座った。
「どげんしたん、そげん汗かいて。」
「え……。」
晃の横には仏顔の後藤がスポーツドリンクの入った紙コップとタオルを持って座っていた。
「布田川さん相手でんシュンちゃんらが打つかんしれんき、準備しちょかなばい。」
「はい……ありがとう、ございます……。」
「畠、まっつんに呑まれかかっちょるばい。絶対呑まれんごつな。」
「……は、い……。」
そう指摘されて智裕のいる方に目を向けた。
甲子園の時とは打って変わって恐ろしいほどにいつも通りの智裕だった。
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