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ハタケくんの壁③
『4番、友利裕昌 、背番号7。』
(4番、友利……『瀬戸内のゴジラ』の異名を持っとる広島の大学リーグ1番の主砲か。ここんとこ嫌ってくらいネットやテレビで見たけど…身体は中川先輩くらいデカいわ。)
横目で友利の一挙一動を見ながら晃は配球を考えた。
この友利と関西圏で比較されることが多い中川は3塁からその姿を見る。
(……友利、さん?…知らんけど。なんやめっちゃ小顔でシュッとしとんなぁ……羨ましいわ。)
中川は違うところで敗北感を感じていた。
そして当の友利は智裕をじっと見て勝負を挑んでくる。
(松田智裕なぁ…なんやヘタレっぽい気がすんのは、気のせいか?)
友利は一発で智裕の本性を見抜いた。
智裕は後藤の言う通りに首を振らずに晃の要求を快諾した。
カーンッ
初球、右打者の友利に対して内角を抉るようなストレートを投げた。
球速は149km/hなのに打たれた。
バットからは「メリッ」と折れる音もしたが白球は大きくレフトへ飛んでいく。
レフトが追いかけるが、ストンとスタンドに運ばれた。
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