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憧れのユイさん①

 修学旅行の日が近づく、それは智裕にとってイコール代表合宿の日が刻々と近づいていってるということだった。  その前には大学日本代表との壮行試合が2日間、神宮球場で行われる。  野球部は秋季大会に向けての練習がある為、清田と野村は1年の練習にかかりきりになる。 「というわけで俺様の出番だ。感謝しろ。」 「……今中(いまなか)先輩、就活大丈夫なんですか?」 「おう!順調だぜ終活☆」  智裕の練習には引退した3年の今中が付き合ってくれた。  そんな今中の目には涙が浮かんでいた。 「まぁなんとかなるさ。一応それなりに学校活動もしてっし、家も商売してっから就職浪人先は安泰だぜ。」 「それ絶対実家に居づらくなるパターンっすよね。」  駄弁りながらも今中に手伝って貰いながら柔軟をする。 「おー、だいぶ筋肉ついたな。」  少し触っただけで今中も智裕の身体が段々と仕上がり始めていることに気がついた。 「今やっと75kgっす……もうマジで地獄っすよ。」 「プロテイン三昧らしーじゃん。赤松が筋肉バカで良かったな。」 「良くねーっすよ!つーか赤松もまた体重増えたっぽいし。」 「でも全部筋肉なんだろ?いいよなーイケメンマッチョとか。でも見せてる相手が女子じゃねーっつのも勿体ねーよな。」 「本当それっすよ…何であいつ大竹なんかと付き合ってんだろ。」  恨めしそうに内野ノックを受ける直倫を見ながら、柔軟を続ける。  智裕の身体は男子にしては軟らかく、脚を180度に開脚して上半身をべったり地面にくっつけている。  それぞれ左右に体を倒していると、ザッザッと誰かが近づく音がした。

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