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大切な人の誕生日③
「で、何で俺の授業に限って松田 は死んでんだよ。」
5限目の公民、智裕は辛うじて着席しているただの屍 だった。
「なんかツワブキちゃんの誕生日知らなかったらしいでーす。」
「へー…最低だな。」
グサッ
「しかもその日は国際大会真っ只中らしいでーす。」
「へー…終わってんな。」
グサッ グサッ
「ついでに言うと石蕗先生の愛娘の誕生日も把握してなかったみたいですよ。」
「へー…それが1番ヤバいよな。明日にでもフラれろ。」
智裕のHPはゼロになった。
「まー俺は恋人の誕生日は盛大に祝ってやるけどな。」
「バツイチが言っても説得力ありませーん。」
「若月 、お前次の中間考査覚えとけよ。」
「ほっしゃーーーん!俺どうすりゃいいんだーーー!」
智裕が立ち上がり叫ぶ。余りに鬼気迫っていたので、裕紀は手を貸すことにした。
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