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大切な人の誕生日④
裕紀はパソコンをプロジェクターに繋いで、教室のスクリーンを下ろしてそこに投影した。
「えー、松田の股間と沽券と石蕗先生の為に、松田が国際試合で向かうアメリカのフロリダ州、マイアミについて今日は教えてやろう。」
「これグー●ルマップじゃん。」
「これでも大学では西洋経済学のゼミ研取ってたんだよ。」
地理関係、フロリダ州のどの位置にマイアミという都市があるかということを丁寧に教えられる。
「世界で1番デカい夢の国はフロリダのこの辺な。というように、フロリダは世界有数の観光地で、マイアミ国際空港は年間おおよそ3500万人が利用しており、ジョン・F・ケネディ空港、ロサンゼルス空港に次いでアメリカで第3位の規模を誇る空港だ。まぁとりあえずでけぇわな。」
映し出されたのはマイアミビーチの夕景写真。女子たちは「キレー」と目を輝かせていたが、男子は落胆していた。
「ほっしゃん!水着美女が写ってる写真はないんですか⁉︎」
「てめーらが授業どころじゃなくなるから映すわけねーだろ、この童貞ども。」
35歳バツイチからの「童貞」攻撃は該当者にひどく響くものがあった。
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