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ツワブキさんが欲しいもの③
「や、やだ!」
拓海は必死に智裕の背中にしがみついて引き止めた。
「ごめんなさい!僕……僕も黙ってたの…智裕くんの、大切な時期の邪魔したくなかったからなの……お願い……そんな事言わないで…悪いのは、僕だからぁ…。」
拓海は智裕の背中に顔を埋めて「ごめんなさい」と繰り返す。
「俺…拓海さんに何も出来ないんだよ?拓海さんの大切な誕生日に……。」
「そんなことないよ、智裕くんが頑張ってるってだけで僕も頑張れるし……。」
「寂しくないの?」
「え?」
智裕の急に冷たい声に拓海はふと顔を上げた。拓海が智裕から離れると智裕は拓海の方を向いた。その顔は悲しい顔をしている。
「…………さみ、し…い……。」
(本当は…すっごく、寂しい………。その日だけじゃなくて、ずっと離れなきゃいけない現実 も……贅沢なのかもしれないけど…。)
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