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ツワブキさんが欲しいもの④

 本音を漏らした拓海の腕をとって智裕は例のごとくベッドの仕切りのカーテンを閉めてベッドに拓海を押し倒して、熱烈なキスを与えた。 「ふあぁ…ん、はぁ……う……。」 「はぁ……拓海さん……ごめん………俺、ちょっとムカついてたし悲しかったし……。」  キスで熱を持った拓海の目は涙を流していて、智裕はそれを拭うように頬を撫でた。 「拓海さんは俺のこと、気遣ってくれたんだよね……ありがとう……。」 「智裕くん……ワガママばかりで、ごめんね……。」 「俺の方がワガママだよ……最近U-18のことが最優先になって拓海さんのことが後回しになってて……。」  智裕は拓海の潤んだ瞳を見つめながら考える。 (……もう、時間が迫ってきてる……決断する時が……きっと、俺は。) 「拓海さんが、1番大切だから。」  智裕は触れるだけのキスを落として、もう一度、唇をパクリと食んで、チュッと音を立てて離す。

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