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マツリちゃんのイヤイヤ期②
「石蕗さん?何してんの?」
「あらあらあら……。」
「あ、こんにちはぁ…。」
「やあぁああ!うあぁぁぁぁ!いやあぁぁ!」
隣の松田家の次男・智之 と母親だった。
松田母はこの修羅場の原因を即座に察した。
「智之、アンタ荷物持って先に帰ってな。」
「うえ⁉︎重いんだけどぉ!」
「ガタガタ言わない!」
「はいはーい。」
智之は嫌々母の言う通りに動いて、両手が空いた母が茉莉を抱きかかえた。
「はーい、まーちゃん、ばぁばの家でお兄ちゃんたちと遊びましょーね。」
「やぁあぁぁぁぁぁぁ!」
「やだねー、でもね、もうみんなお家に帰る時間よ?廊下さんにバイバイしようねー。」
「うう…うわーあぁぁ!」
泣きわめき暴れる茉莉をしっかり抱っこして松田母はズカズカと進む。
そして拓海の方を見て笑う。
「石蕗さん、とりあえず荷物片したらウチにいらっしゃい。茉莉ちゃんは先に預かっとくから、ゆっくりでいいわよ。」
「あ……すいません。」
ずっと泣きわめく茉莉を上手いことあやしながら、松田母は松田家に入っていった。
拓海は急いで荷物を持って、自宅に帰っていく。
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