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マツリちゃんのイヤイヤ期④

 午後8時、拓海は簡単に夕飯を済ませてお風呂も入って、久々にすることもなくソファに座ってテレビを眺めていた。 (何だろう……1人って何すればいいのかな?)  静寂が不自然で、そのままソファに横たわった。  すると充電しているスマートフォンが振動しだした。ゆっくりと起き上がってスマートフォンを手に取ると、智裕からの着信だった。  すぐに応対すると電話口から賑やかな子供の声がする。 『あー!茉莉ちゃん!ちょ、ちょっと!』 『とーと!とーと!』 『茉莉ちゃん!そんなきったねぇ部屋入ったらばっちいぞ!』 『テメーの部屋よりマシなんだよ!』 『だってにーちゃんの部屋、エロ本あるもん。』 『黙れクソガキ!やんのか!』 『とーと!もちもーち!』 『あ?何してんの茉莉ちゃ……あ、これ、た…茉莉ちゃんのお父さんに電話かけてっし!ちょ、智之!茉莉ちゃん、親父んとこ連れてけ!』 『はぁ?いいじゃん1回切れば。』 『きゃーん!じじー!』  兄弟喧嘩と茉莉の暴走を呆気にとられて拓海はずっと聞いてしまっていた。

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