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ツワブキさんのモヤモヤ④
「とーと!」
茉莉が下を指して、そう言うから、拓海は「どうしたの?」と覗き込むように下を見た。
この団地には不相応な高級スポーツカーが停車していて、右側のドアが開いて出てきたのは私服の智裕で、左側からは黒髪の背の高い男性が出てきた。
(あ……由比、壮亮……。)
楽しげに2人が笑う声が聞こえてきて、拓海は見ていられなくて家に入った。
「ぱぱ、ないないよー。」
「うん、ないない、ね。」
泣きそうな拓海を茉莉が慰めてくれた。拓海は茉莉をギュッと抱きしめて、柔らかな体温に安心を求めた。
(大丈夫、大丈夫……だって、大好きって……でも……でも……。)
「やっぱり、イヤだよ……。」
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