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マツダくんのこれからの仲間たち②
「あ、またメッセ来たで。」
「ちょ、返して下さい!」
「晃なら松田をリード出来る、大丈夫だ。やってぇ!」
八良と中川はニヤニヤ顔で「ひゅーひゅー」と囃 し立てた。
「それどっちの松田や。ハチローか、まっつんか?」
「シュンちゃんはホンマにぶちんやなぁ……。」
「でも…俺……マスク被れるんスか?正捕手は…後藤さんやろうし……。」
晃と正捕手の座を争う相手は、高校野球でNo. 1と称される後藤 礼央 だった。
福岡県・隈筑 中央との決勝、3年生たちのチーム力で勝利出来たが捕手として、盗塁殺、配球、リード、全て後藤は晃の数段上だった。
(トライアウト…受かって、後藤さんも認めてくれても……やっぱ争うてなったら自身無いわ…。)
『あー本当ですね。何落ち込んでるんですかね。』
『畠、マジで叱られた仔犬みてぇだな。』
「へ?」
突然ハチロー達以外の声、しかも標準語の喋り方が聞こえて思わず顔を上げるとハチローがスマホのカメラを晃に向けていた。
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