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マツダくんのこれからの仲間たち⑤

『野村ぁ、俺明日から生きていける気がしない…!癒しもクソもねぇじゃんかぁぁぁぁぁ!』 『月曜まで我慢しなよ。てゆーか松田くん由比投手とずっと練習出来るんだからいいじゃんか。』 『羨ましいぜー!俺だって由比投手に教えてもらいてーよ!』  同じ投手の香山はうらめしそうに声を出した。  智裕は「やばいやばい急に緊張してきた!」などと声を震わせている。恭介は盛大にため息をつくと、スマホの画面越しに晃を見る。 『頼むな晃。何かあったらいつでも連絡して来いよ。』 「うん……ありがとうな……キョースケ。」  名残惜しく通話を切ると、八良と目があった。 「ふーん、臨むとこやで。お前がレオっちに勝てるんか俺もよぉ見とくわ。」 「……絶対負けませんから。」  晃は強気の目でハチローを睨むと、荷物をまとめたキャリーケースを引いて部屋をあとにした。  しかし誰もいない廊下に出ると、壁にもたれてズルズルとしゃがみ込んだ。本当は八良に気圧されてしまっていたのだった。 (松田も解ってる…恐らく俺と松田、ハチローさんと後藤さんが組まされる。せやけど松田も夏の時より制球も球速も段違いに良ぉなっとる……俺が置いていかれてまうかもしれへん…!あかん、それだけは絶対にあかん!) 「キョースケぇ………助けてよぉ……。」

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