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第2話

楽しみにしていた週末は、わくわくしているうちにやってきた。 啓吾さんの職場は、忙しい時期でないかぎり土曜も日曜もしっかりお休み。だから、一日でも早く出かけたくて土曜日にデートをすることになっていた。 前日バイトが終わるとすぐ、啓吾さんの家を訪れた。 いつものように一緒にご飯を食べて、お風呂に入って、おしゃべりもそこそこにベッドに移動したんだけど……明日のことがあまりにも楽しみすぎて、なかなか寝つけない。 何度か寝返りをうっていると、啓吾さんと目があった。 「眠れないの?」 「……うん。わくわくしすぎちゃってるのかも……」 「そっか……もう少し近くにおいで」 啓吾さんに促されて、ずりずりと体を動かす。さっきより近くなったところで、啓吾さんが優しく抱きしめてくれた。 「明日、楽しみだね。遊園地なんて久しぶりだよ」 「そうなの?……僕は去年の夏休みに、大学の友達と行ったから、半年ぶり位かな…」 みんなでレンタカーを借りて、日帰りで出かけたんだ。その日ももちろん、とっても楽しかったんだけど…… 「……啓吾さんと一緒に行けるなんて思ってもなかったから……すごく、嬉しい」 あの頃にはもう、啓吾さんとお出かけすることはすっかりあきらめていたし……遠くに行きたいとおねだりすることなんて、考えられなかった。 その後、すれ違いや誤解があって一度は別れてしまったんだけど……でもそのおかげで、今こうして甘えることも、素直になることもできるんだから、あの苦しさは無駄ではなかったんだと思ってる。 「俺もすごく嬉しいよ。いっぱい楽しもうね」 「うん!」 ぎゅっと抱きつくと、啓吾さんが背中を優しく撫でてくれた。 それがとっても気持ちよくて……温かくて……いつのまにか僕は、眠りに落ちていた。

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