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第37話 四面楚歌

「うぉ~い、そろそろ子猫ちゃんがお目覚めの頃だよ? 安川と高田で見て来て」 「「うぃっす」」 白石の言葉に頷いた安川と高田が部屋を出て行く。 大河内のバカ頭 ――  いや、組長はあのボーヤを散々弄ぶだけ弄んだら、 さっさと都会の自宅へ帰って行った。 ここは白石の親戚が所有している会社の研修施設の 1つだ。 白石の伯父が「白石警備保障」と云う セキュリティー会社を経営している。 研修施設は東京近郊と町田市郊外に2箇所ずつあるが、 今はもう1つの施設の方が設備も整っている為、 研修はそちらで行われている。 こちらの施設は少々古くなって来たので、 今年中に改修工事に入る予定だそうだ。 だから、今は自分達以外に誰もいない。 ちょっとばかし悪い事をするには、 打って付けの場所なのだ。 「総長、これからどうすんで?」 「もうっ!  僕はもう総長じゃ無いと何度云えば分かるの?」 「すっ、すんません」 「ホントよっちゃんは覚えが悪いんだからぁ」 自分よりも図体のデカイ男が、 小さくなって詫びる姿を蔑むように見下ろす。 外見は優男風なのだが、 白石は正真正銘のサディストだ。 かなり酷薄な性格なのである。 「組長も晴彦も、別に殺すなとは言ってないしねぇ」 「あっ、あのガキを殺すんですか?」 「う~ん、どうしようかなぁ~。 あの憎っくき手嶌竜二を呼び出して、 目の前で殺っちゃうのも楽しいかもね。 それとも、顔のパーツを全部抉り出して煌竜会へ 送り付けてみようか」 「……」 そんな白石の発言に、吉岡の躯には冷や汗が流れる。 白石に付いてかなり悪どい事も平気でして来たが、 まだ人を殺した事までは無い。 いや、寧ろ、殺したくなんか無いのである。 だが、ここで何かを云えば自分の身が危なくなるのは 目に見えている。 白石の事を吉岡は尊敬をしていた。 学もなく世間と折り合いが付けられずに 1人浮いていた自分を、 拾ってくれて仲間にもしてくれたのだ。 頬に大きな火傷の痕があり、 とてもまともな人間には見られない自分が ちゃんとした会社に就職出来たのも、 全部白石のお陰なのである。 だから、今回も手を貸して欲しいと云われた時は、 2つ返事で頷いたのだ。 だが、それがまさかヤクザの跡取り息子を誘拐し、 その組の本部長を殺す計画だったなんて……。 「吉岡、まさかビビッてんじゃないよね?」 「もっ、勿論っす」 「まっ、ビビろうがきっちり働いて貰うけどね。 手嶌竜二を呼び出して、目の前で子猫ちゃん殺したら どんな顔すると思う?」 ニヤリと笑われて、吉岡の背筋にまた冷たい物が流れる。 ぐったりとしてる綱吉を、 安川と高田の2人が引きずるようにして連れてきた。  ***  ***  *** 「も、ゃだ……」 抵抗する声はとても弱々しい。 (りゅ、じ……りゅうじ……助けて……) 「んン ―― んぐ……っ」 綱吉の口に押し入った男の凶器。 「ほらもっと舌使えよ。ヘタクソだな」 そう言って綱吉の髪を掴み無理やり深く咥えさせた。 「ぐ……」 (く”るしい……) 綱吉は思わずゲェっと吐き出してゲホゲホとむせた。 それでも再び髪を引かれ、口の中を犯される。 「も、許し……んんっ」 安川の手が綱吉の後ろへ延びた。 ビクンッと体をこわばらせる。 さほど濡らしていない指を無理矢理押し込んできた。 「い ―― いたっ」 「おい、傷つきやすい場所なんだから優しくして やれよ。使いものにならなくなったらどうすんだ?」 「わりぃわりぃ。男初めてだからつい……さ」 「や……あぁ」 それでも激しく指を動かす安川。 (いたっ……痛いよ。もうやめて) ナカから指を引き抜かれると綱吉は痛みから解放され ぐったりとする。 続いて高田が大きく固く反り返ったモノを握って 綱吉に近づいた。 高田に片足を掴まれ、綱吉はハッとして暴れる。 「やめろ! 俺に触るな。いや、いやだっ  竜二っ 竜二っ」 「誰だよ、竜二って。大人しくしてろよ。 気持ちよくしてやっからさ?」 そう言う高田の体を綱吉は残った力で必死に 蹴りつけた。 「……って。 人が優しくしてりゃあいい気になりやがって!」 そう言って綱吉の頬をきつく数回殴り、 唇の端が切れて血が滴った。 ショックのあまりに抵抗が弱まると高田は 再び綱吉の足を肩のあたりまで持ち上げてきた。 「いや、だ……許して。お願いだから」 頭の方から安川が綱吉の足を押さえる。 「オラ高田、さっさとヤっちまえよ。 後がつっかえてるんだ」 もう1度唾をたっぷりと綱吉のその場所に塗りつけ、 高田は凶器をあてがった。 「いやぁ……あっ」 綱吉の目から涙がこぼれる。 高田のモノが綱吉のナカに深く押し入った。 「……すげ」 高田はそう言って綱吉の上で激しく腰を動かす。 「う……ううっ」 綱吉は力なくうなだれる。 そしてすべてを諦めたように体の力を抜いた。 「そうそう。そうやってればすぐにすむからよ?」 高田がそう言って綱吉のナカで激しく動く。 「んっ……くっ」 (早く ―― 終わって。早く……) 綱吉は歯をくいしばって苦痛に耐えた。 そんな尚希を見て興奮する白石。 真性サドのこの男はそれを眺めつつ1人エッチに 興じだした。 「あ~、楽しそうな事やってるね。僕もまーぜーてぇ」 「あら、晴彦さん。あんた帰ったんじゃなかったの?」 「いや、毎度の如くおふくろが煩くてさ、逃げて来た。 オラ、高田くん攻主交代ね」 高田が自分のモノを抜いたソコへ、 間髪をいれず戸籍上の叔父・晴彦が 自分の分身を突っ込む。 「いや~~~~ぁぁぁっっ!!」

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