40 / 46
第40話 満身創痍
最早綱吉に、抵抗する力など微塵も残っていない。
複数の男にされるがままにゆさゆさと揺さぶられる体。
軋む肉体。
何人もの男達に視姦されながら屈辱的に犯される苦痛。
綱吉は竜二の為にと、
今まで堪えてきたのだががさすがに肉体と精神に
限界を感じていた。
(……ごめんなさい、竜二、俺、もう……無理)
(……ん?)
綱吉と晴彦の交わりを離れた席から見学していた
白石はふと嫌な予感がした。
「おい。ボーヤ?」
「……」
白石が綱吉に近づくと綱吉の唇の端から鮮血が
したたり落ちる。
「どわっ! こいつ舌噛みやがった!」
晴彦は綱吉の中から分身を引きずり出し飛びのいた。
「何をやっているっ。
口を開けさせて何か布を突っ込め。
それ以上噛まないように、早くっ」
安川と高田が、ギリギリ ―― っと噛んでいる
綱吉の口に手を突っ込んで
歯をこじ開けると布を押しこんだ。
その布がみるみる真っ赤に染まっていく。
(あぁ……これでラクになれる……竜二、それから、
祖父ちゃん、手嶌、ごめん……やっぱ俺って……)
周りが急に慌ただしくざわつき始める。
(ったく、誰だよー、静かに眠らせてほしいのに……)
綱吉はそのまま意識を失った。
*** ***
「……おかしい。見張りの数が少な過ぎる。
どういう事だ?」
手嶌は変に静まり返った様子を不審に思う。
(静か過ぎる……)
「俺は地下の様子を見てくる。お前達は上を頼む」
「あぁ、気を付けてな。行くぞマオ」
「はい」
倉庫の事務室へと伸びる階段を駆け上がると
突き当りの部屋から1人、
男が飛び出してきた。
「あんたは……煌竜会の」
男の手には血だらけのタオル。
竜二は男を押しのけ室内に入り、
そして薄汚いマットレスに力なく横たわる綱吉を見て
目を見開いた。
全裸のまま口にタオルを突っ込まれ、
血の気を失ったその口元は血で赤く染まっている。
「若っ!!」
マオが綱吉に駆け寄ると首には赤い首輪、
そして手首は拘束されていたであろう傷跡。
「なんて酷い事を……しっかりして! 若っ。
ツナさん」
「ケ ケっ ケっ ケっ ケっ ――――」
竜二がその奇妙な声のする方を静かに向き睨む。
そしてその目的に向かって駆け寄ると
取り巻きの男達を殴り倒して晴彦の襟首を掴んだ。
同時に、別働隊の手嶌達が逃げようとしていた白石を
確保してきた。
「竜二、今は一刻も早く若を病院へ!」
と、手嶌。
「西嶋」
「はい」
「こいつとそっちのバカは俺が後でゆっくり締め上げる。
死なねぇ程度にうちの流儀を叩き込んでおけ」
「はい、お任せを」
マオから綱吉を受け取りシーツにくるんで抱き上げた。
「急ぐぞ」
「はい」
竜二はボロボロの綱吉を抱いて部屋を出た。
ともだちにシェアしよう!