2 / 260

第2話

「どこ行くの?」 いつもの帰り道とは違う道を行き始めた祥馬に俺は疑問をぶつける。 「ちょっと待ち合わせしててさ」 返ってきたのはそんな言葉で。 「…誰と?」 俺を見ると、祥馬はニッと笑った。 ??? 何、その笑顔… 「あ、いたいた。澪央(みお)〜」 祥馬が手を振った先には、俺たちの高校とは違う制服を着た女の子が立っていて、こちらに気づくと笑顔で手を振ってきた。 「あ、えっと…こんばんは。神代瑛翔(かじろ えいと)くんだよね。はじめまして」 「…こんばんは」 頭が真っ白になった。 どういうこと? 「とりあえずあそこのファミレス入ろうぜ」 祥馬がそう言って歩き出した。 澪央と呼ばれたその子は当然のように祥馬の隣を歩く。 そんな姿を見て、全てを察した。 これから起こることも。 「いらっしゃいませ〜3名様ですか?こちらの席にどうぞ」 従業員の人に席に案内され、俺たち3人は席に着く。 2人が俺とは反対側のソファー席へと並んで腰掛けた。 「実はさ…」 あぁ、聞きたくないなぁ。 「俺、澪央と付き合ってるんだ」 祥馬から発せられたのは、想像通りの言葉だった。

ともだちにシェアしよう!