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第8話

それから、俺と祥馬は一緒に帰ることが極端に減った。 理由はもちろん、祥馬が桐崎さんと帰るからだ。 でも、桐崎さんとは学校が違うから、学校では今まで通り一緒だった。 寂しいとか、気持ちを伝えるつもりもないのに、そんな風に思うのは自分勝手なんだろうな。 そして変わったことがもう一つ。 「神代くんっ、今日一緒に帰らない?」 「あーでも俺部活が…」 「私も部活あるし、大丈夫だよ!」 「…じゃあ、うん。いいよ」 「ありがとう!正門の所で待ってるね?」 「おっけー」 祥馬と帰っていないことをどこから知ったのか、たまたま見かけたのかなんなのか知らないけど、帰りを誘われることが多くなった。 だから、毎日色んな子と帰っている。 それは同じクラスの子を始め、他クラス、更には先輩や後輩。 正直名前が分からない人もいる。 「はぁー相変わらずモテてんなお前」 「最近一人で帰ってるから」 「お前俺以外に友達いないのかよ」 「いや、祥馬よりいるけど」 「なんか腹立つな。じゃあ何で」 そこまで気になることなのか? 「…別に、誘うのも面倒だし、いつものメンツで帰ってる中に入ると、気ぃ遣わせちゃうじゃん」 「ふぅーん。瑛翔ってそういうところ気にするよな」 「俺、繊細だから」 「どの口が言ってんだか…」 ムカついたのでデコピンをしてやる。 「いてっ」 おでこをさする祥馬を鼻で笑う。

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