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第9話

祥馬と一緒に部活へ向かった。 今日の部活は紅白に分かれての練習試合。 一年でレギュラーを勝ち取った俺は、二年になってかもレギュラーから外れたことはない。 祥馬と同じ赤いビブスを着て、笛の音で練習試合が始まる。 練習試合の時はギャラリーが多い。 その情報はどこから収集するのか未だに謎だ。 黄色い歓声が聞こえてくる。 「瑛翔っ」 祥馬からのパス。 大きく外れて、思い切りネットの方へボールがいき、ネットに当たってガシャンと音を立てた。 「どこ蹴ってんだよ!」 「ごめーん!」 祥馬に一言文句を言い、ボールを取りに行く。 ネットの方へ近づくと女子たちが声を上げる。 「ごめん、祥馬が下手くそで。大丈夫?怪我してない?」 ボールを拾いながらネットの向こうにいる女子たちに声を掛けると、キャーッ!と声が上がった。 いや、大丈夫か聞いてるんだけど… 「大丈夫ー!」 「頑張ってください!」 「どーも」 笑顔を向けてからコートの方へ戻ると、背後から歓声が聞こえた。 「何言ったんだよ」 コートに戻ると祥馬から声を掛けられる。 「別に?」 「別にって…何も言わないであんなに黄色い声が上がるかっつーの」 「なんだよ、自分がモテないからって僻んでんの?」 「なっ!ちげーよ!」 ちょっと揶揄うと本気で返してきて、俺は思わず笑った。 そしてすぐに試合が再開された。

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