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第10話
結果は2-0で赤が勝った。
「「「お疲れっしたー!」」」
ミーティングを終えて、解散となった。
「瑛翔、じゃあな!」
ミーティングが終わってすぐ、祥馬はさっさと着替えると俺に声をかけ、返事を聞く前に部室から出て行った。
「慌ただしいやつ…」
その背中を見送ってから俺も、戸締りを一年に任せ、俺も部室を出た。
下校する生徒で溢れる中、校門に差し掛かる前に声をかけられた。
「神代くんっ、お疲れさま」
「あぁ、うん」
あれ、確か…
俺はその子と並んで校門を出た。
「駅まで行く?」
「うんっ」
この子、部活を見ていたギャラリーの中に居た気がする。
「あのさ、今日サッカー部見に来てた?」
「あ、うん…」
「部活は?」
「今日は早めに終わったからっ」
「そうなんだ」
部活があるというのが嘘だったのかと思ったけど、それは思い過ごしだったようだ。
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