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第11話

それから当たり障りのない会話をしながら駅までの道のりを一緒に帰った。 その子は駅からバスで帰るということで、駅前で解散することになった。 「今日はありがとうっ。また今度一緒に帰ってくれる?」 「いいよ」 笑って答えたら、目の前の子は頬を赤く染め笑った。 「じゃあ」 「うん、またねっ」 軽く手を振って、俺は背を向け歩き出した。 ホームに出ると後ろから声をかけられた。 よく知った声だ。 「今日もまた違う子だったな?」 「佑嗣」 「彼女になった?」 「なってない」 「なんだ…」 どこか残念そうに呟いた佑月。 「なんだって何」 「いや、祥馬という壁がいなくなって女子たちが騒いでるから」 「騒いでんの?」 「騒いでる」 っていうか、祥馬が壁って… 祥馬、壁になってたのか。 「昨日とは違う子だったよな?」 佑嗣は改札の方を見て呟いた。 「あ、うん」 「モテる奴は大変だな」 「揶揄ってんの?」 「…少し」 「うぜー」 「ははっ」 二人して笑った。 丁度そこに電車がホームに入ってきた。 俺たちは電車に乗り込み、一緒に帰った。

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