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第12話

それから俺は祥馬と帰らない日が続いたけど、一人で帰ることは一度もなかった。 一緒に帰った相手の名前を、全員は正直覚えていない。 クラスの子だったら分かるけど。 「瑛翔〜佑嗣〜飯食おうぜー」 コンビニの袋を片手に祥馬は俺の元へやって来た。 「俺、今日部活のミーティングあるから一緒に食えない」 佑嗣は手で謝るポーズをしてから教室を出て行った。 祥馬は佑嗣が教室を出て行くのを見届けてから俺の方へ視線を戻した。 「なぁ、瑛翔今週の日曜暇?」 「日曜?特に何もないけど」 コンビニで買ってきた焼きそばパンの袋を開けながら答えると、祥馬はパッと表情を明るくした。 「あのさ、澪央と出掛けるんだけど瑛翔も来ねぇ?」 「は?」 「だめ?」 「何言ってんの?二人で行きなよ」 「あー違う違う。ごめん、説明不足。澪央が友達連れて来るから、四人で」 つまり、それはダブルデートと言うやつじゃ… 「無理強いはしないから、嫌なら嫌って言ってくれ」 「……いいよ」 「だよなー…ってえっ!?いいの?」 「うん」 ここで嫌なんて言ったら感じ悪いし… 「ありがとう!」 「何でありがとうなの」 「いや、別にー?また時間とか決めたら言うから!」 「はいはい」 この時、なぜお礼を言われたのか、それは日曜日当日に知ることになる。

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