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第14話

運ばれてきた料理を食べながら会話していれば、突然桐崎さんがパチッと手を叩いた。 「そういえば一昨日、クラスでファッション雑誌見てる子がいてね、みんなでこの人かっこいいねーって言ってたんだけど、見せてもらったら瑛翔くんだった!載ってたよね?」 「え?あーどうだろ?」 「何、また撮られたのかよ?」 隣に座る祥馬が俺を見て目を細めた。 「こいつ街歩いてるとよく声掛けられんだよ。前にも一緒に出掛けた時話しかけられたし」 「瑛翔くんかっこいいもん。ねっ、妃捺」 「えっ、う、うんっ」 突然同意を求められた椎河さんが慌てて頷いた。 桐崎さんはどちらかといえば元気な感じだけど、椎河さんは大人しめという印象がつき始めている。 「それじゃあ他の雑誌にも載ってるかもしれないねっ」 「ああいうの断るの苦手だもんな。俺といた時も断ってくれって俺に言ってきたくらいだし」 「そうなんだ?」 「んー断りづらいんだよね」 他にも学校の話などしながら昼食を終えた。 「これからどこ行くの?」 ファミレスを出て疑問を口にすると、桐崎さんがキョトンとした。 そして祥馬を見た。 「祥馬くん、瑛翔くんに何も言ってないの?」 「え、あー…忘れてた」 嘘だ。 耳を掻いている。 祥馬は昔から、嘘を吐く時耳を掻く癖がある。

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