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第18話
「あ、ペンギンの水槽だって!」
どこの水槽を見てもキラキラ目を輝かせて楽しそうに笑う椎河さん。
見ててこっちも楽しくなる。
目を離したら一人でどこかに行ってしまいそうだ。
「あれ?」
気づいたら、祥馬と桐崎さんがいなくなっていた。
「ん?どうしたの?」
椎河さんは水槽から目を離して俺を見上げた。
「いや、祥馬と桐崎さんがいない」
「えっ、嘘…」
キョロキョロと辺りを見渡しても見つからない。
「私が水槽に夢中になってたから…神代くんごめんね」
「大丈夫だよ、今祥馬に連絡してみるから」
ポケットからスマホを取り出し、祥馬に電話をかける。
祥馬は割とすぐに出た。
「もしもし?今どこいんの?」
『あー悪い。澪央が…』
祥馬の言葉の途中でガサッと音がした。
『瑛翔くん急にいなくなってごめんねー?2人があんまり楽しそうにしてたから2人きりにしてあげようかなって思って結構先に行っちゃってるんだよね』
桐崎さんが電話に出たと思ったら、そんなことを言われた。
つまり、わざと俺たちと逸れたのか。
『15時からイルカショーがあるから、それが終わったらまた合流しよ?いい?』
「あー、うん、分かった」
不安そうに俺を見上げる椎河さんと目が合った。
電話を切った。
「久城くんたちどこにいるの?」
「結構先に進んでるみたいで、15時からのイルカショーが終わったらまた合流しようって」
「えっ…そうなんだ…私のせいでごめんね」
落ち込んでしまった椎河さん。
わざとなんだけどね。桐崎さんといい椎河さんといい、いい子過ぎるなぁ。
「椎河さんのせいじゃないよ。15時まであと30分くらいあるしショーの会場に向かいながらゆっくり行こ」
「うん…」
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