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第27話

いちごオレのパックにストローをさしたところで、話しかけられた。 「あの、神代先輩」 今日はよく後ろから話しかけられるな、なんて思いながら振り向くとそこには知らない女子が立っていた。 俺を先輩と言っているし、上履きが赤いから一年生というのは間違いない。 「あの最近、久城先輩と帰ってないって聞いて…その、今日、私と一緒に帰りませんか?」 伏せ目がちに女の子は言った。 雰囲気が少し、椎河さんに似てるなと思った。 「君部活は?」 「あ、入ってます、あ…私の方が遅かったら、先に帰ってしまっても大丈夫なので…っ」 「…いや、待ってるよ。部活終わったら、校門の所でいい?」 「は、はいっ。ありがとうございます」 それだけ言うとパタパタと階段を上って行った。 「あー何部か聞けば良かった…」 いちごオレを飲み干してから教室に戻ると同時に鐘が鳴り、俺は席に着いた。 その後、祥馬から何か言われることはなかった。 昼休みも、佑嗣がいたからかもしれないけど、何も言われず、他愛もない話をしただけだった。 そしてあっという間に放課後になり、部活が始まった。 試合の時ほどではないけれど、部活を見ているギャラリーがいる。 その中に、今朝の後輩はいなかった。 本当に部活があったんだな。 部活が終わり、部室を出て校門まで来ると、今朝の後輩が既に待っていた。 「あ、お疲れ様ですっ」 「うん、お疲れ」 俺が言葉を返すとその子は照れたように笑った。 「瑛翔、その子と帰るのか?」 「祥馬…」 「妃捺ちゃんのことは振るんだな」 それだけ言い残して、その場から去って行った。 何あれ。

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