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第34話

椎河さんと付き合い始めてひと月が経った。 付き合い始めたのは7月初めで、今はもう8月中旬。 夏休みがあと一週間で終わってしまう。 椎河さんとはこの夏休みの間、映画を見に行ったり、夏祭りに行ったりした。 高校生らしいデートを重ねた。 話せば話すほど、いい子だなと思うのと同時に、こんないい子の時間を俺が奪ってしまっていいのかとふと頭を過ることもある。 次に会うのは夏休み明けかな。 そんなことを考えていれば、祥馬から電話が来た。 相談したいことがあると。 真剣な声が電話越しに聞こえて来た。 どんな相談だろう。 どうせ桐崎さん関係だろうな。 声音は真剣だったけど、前にも電話で相談があると今回みたいな真剣な声で言われて会いに行った時、当時片想いしていた子が可愛すぎて辛い、とかそんな話をされたことがあった。 祥馬の真剣なんて、そんなもん。 どうせ大したことじゃない。 俺にとってどうでもいいようなことだと思う。 本人は至って真剣に悩んでるんだけどね。 この時、こんな呑気に考えていた自分を呪いたい。

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